






金沢は、雪[E:snow]舞う 3月です。
『3月なら、雪も無いし、きもので出かけよう[E:sign01]』 と、思って 準備されていた方にとっては、きものの上に何を羽織れば良いか、迷ってしまう[E:shock] お天気ですね。
成人式の、オーストリッチの襟巻きを羽織って以来、という、冬の時期に着物を着る機会が無かったという人にとっては、悩みどころだと思います[E:wobbly]。
『着物の上に羽織るものが無いんです・・・』 と、ご相談を受けることがよくあります。
きものの上に羽織るものは、いくつかあります。どうしてもこれでなきゃダメ! と、言ってしまうと、着慣れていない人にとっては、用意するのが大変だと思いますので、ご自身の持ち合わせで、間に合うものを見つければよいと思います。
一番手軽なものは、ショールではないかと思います。洋服にも兼用できるような、大判の長方形のショールを一枚持っていると、着物にも、洋服にも、膝かけにもなり、便利です。ただし、着物を着る際は、改まったお出かけ という機会がほとんどでしょうから、チェックや水玉などカジュアルなものはダメですね。無地で、落ち着いた色のものをおすすめします。
画像は、入学式のお着物。無地に近い小紋に、ご自身の手織りのショールです。ショールの色と小物(伊達襟と帯揚げ)を合わせたので、色合いがマッチしています。
もう一点は、秋口に結婚式に出席された方。付け下げに黒い大判のショールを抱き合わせに羽織り、着物の色にあうブローチで留めてみました。コートを着ている様に見えます。
お茶や日舞、お琴などをされる方は、雨でも雪でも着物で出かけなくてはいけないので、着物を汚さないよう、撥水生地の 雨コート を持っていらっしゃると思います。これは、洋服でいえば、レインコートの役目です。着物を濡らさず、汚さないので 雪の日や足元が悪くて、泥ハネを気にするときにも役立ちます。ただし、建物内に入ったら、玄関先ですぐに脱ぐことがマナーです。
襟が四角く切り取られている着物用のコートのことです。丈も短めのものから、長いものまで様々です。防寒、雨よけ代わりにもなり、晩秋~早春に着用します。色によっては、礼装用(紫や黒、灰)のものもあります。こちらもコートなので、建物に入ったら、脱ぐのがマナーです。最近では、卒業式の会場が寒いので、洋服でもコートを着たままという方が多いので、何とも言えませんね…
④道中着(どうちゅうぎ)
着物の襟のように合わせになっているものです。道行は、ボタンで留めるのに対して、こちらは、紐で結び合わせるものです。道行と同じ役割です。無地の着物を道中着に作り換えることができます。黒など無地のものが一枚あると、礼服にも合わせられて、便利です。着物のホコリ避けとも言われ、大切な着物や帯を守る役目も果たします。
画像は、早春、ご親戚の結婚式に列席されるというお母様と娘さん。お二人とも、黒と紫という 格式ある色あいの道中着で、礼装に合わせておられます。
⑤羽織(はおり)
紋付、絵羽織、長羽織、袖なし(半ちゃ)、茶羽織 などあり、洋服でいうと、改まった席でも可能なジャケット、茶羽織などは、カーデガンにあたります。
無地で紋付のものは、卒業式や入学式向け。結婚式などの留袖には、着ません。友禅柄、絞り、小紋などは、お洒落としての役割りです。羽織は、建物内でも着たままで良いので、卒業式など寒い会場の場合には、役立ちます。ただし、帯が隠れるので、立派な帯の場合は、もったいないですね。
私が子供の頃には、幼稚園、小学校と 母親たちは、無地の着物に黒い羽織 というの が、定番でした。 きものリサイクルなどが流行った数年前にも、羽織はブームになりました。着物と同柄の長い羽織 というもの 人気でしたね。
やはり 天気が悪い日は、きものの上に何か羽織る必要はあると思いますね。
お借りしたり、きものリサイクルで購入するのでしたら、自身の着物の袖がきちんと隠れるもの でないと、カッコ悪いですよ。
画像は、絞りの着物に、桜模様の羽織を合わせたもの(入学式)と、銀鼠の付け下げに紋付のアンティーク黒羽織を合わせたもの(卒業式) ワタシのコーデです。
ずいぶんとご無沙汰してしまいました。
長かった春休みが終わって、やっと ひとりの時間が持てました[E:sad]。
それにしても、寒暖の差が激しい春[E:cherryblossom]ですね。
寒くて長く感じた冬の疲れ、春の新生活による緊張の疲れ… 体調を崩す人が多いようです[E:sad]。 わが家も、相方が、急患で、病院に駆け込んだりと、バタバタしておりましたが、今は、すっかり通常仕様です[E:run]。
そんな中、下の子の 中学校の入学式が 先週末、行われました。わずかな晴れ間に、花見を兼ねることができました。
卒業式は、厳かに 暗いトーンの式服を装われる方が多いのに比べ、入学式は、とても華やかですね。 卒業式以上に、着物姿のご父兄の多さに、驚きました。(それと、平日にも関わらず、ご主人揃ってという方が、年々多くなるのに、寒心します[E:happy01])
私は、昨春 上の子の高校入学式に間に合うように、母の着物を羽織に作り直したものを、今回も着て行きました。
「入学式に道行きや、ショールはいりますか?」 と、聞かれることがよくありますが、洋服の場合と置き換えて、同じように考えればよいと思います。
スーツだけの方もいれば、春もののコートを着ている方もいます。ショールもしかり…。まだ肌寒いので、着物の場合でも、お手持ちで間に合うものなら、あると重宝します。
学校はあまりに寒くて、結局、わたしは式典の間も、校内にいる間も羽織をとることはしませんでした。羽織は、脱ぐ必要が無いので、OKですが、道行きやショールは、玄関先で取るのがマナーです。
今回は、澄んだ水色の無地を合わせました。地模様の無地です。元々、ピンク地だったものを、結婚前に、母親が 喪に使えるようにと、水色に染め直ししたのですが、喪用にしては、鮮やか過ぎるし、喪につかうことは無さそうなので、今回 はじめて袖を通しました。
半襟は、アンティークの年季入りの刺繍襟です。金糸・銀糸の刺繍なので、婚礼用かと思います。私も年季が入ってきたので、鮮やかな色あいの刺繍襟が似合わなくなってきたので、古めかしさが肌に合うようになりました。
伊達襟は、着物の端布を利用して、即席で、作ったら、親に、「邪道だ、伊達襟が出すぎて、みっともない!」 と、叱られました[E:catface]。 綴れの帯にも合っていて、色合わせは、[E:good]と思っているのですが…。
帯留めは、べっ甲の櫛を帯留めにしたものです。こちらもアンティーク。わたしが、リメイクしたわけではありません。
母いわく、「年が追いかけてくるから、似合わなくなる前にひと通り袖を通さないと!!」 と、申しますので、子供が学校に行っている間は、それにかこつけて 袖を通してしまおうと思っています…。
(そういえば、先日、武道館での某大学入学式の模様をテレビで見ました。大学の入学式に、鮮やかなピンクのお着物姿のご父兄の姿が映りました。子の大学入学に着物で行くかどうか…? これには、ちょっと考えます。 でも、まあ、その前にウチの場合、行ける大学があるかどうか? 私が今から悩む必要は無いんですけど。。。)
次回は、先週土曜日に、着物姿で、京都まで行かれた方のおはなしです。
卒業証書授与では、小さい頃から仲良しだった男の子たちが、すごく成長していたり、幼馴染の女の子が、変わらない笑顔だったのを久々に見て、わが子の姿以上に、じ~ん と来てしまったわたしです[E:weep]。
校長先生が、式辞の中で アンジェラ・アキの 『手紙~拝啓15の君へ~』 の歌詞一部を、穏やかに優しい声でゆっくりと朗読されたのが、とても印象的でした。 生徒たちも、ハンカチを手にすすり泣き、お母さん方も、ビデオを片手に涙ぐみました・・・。
別々の高校になるお母さん方から、「大学で会おうね!」 ・・・うーん無理だと思います・・・[E:coldsweats01]。 「○○ちゃん、ちっちゃい時から、ほんと好きだったの!」 ○○クンのお母さんにそう言われても・・・[E:gawk] などなど、温かいお言葉を頂き、お世話になったご父兄の皆さんと、わたしも最後の楽しいひとときを持ちました。
そんなわが子は、というと、式が終了しても、一向に姿を見せず・・・。
玄関に現れた時には、髪はもさもさ、ネクタイはちぎられ、名札も校章もなく、手には、汚いズックを何足も抱えて・・・まるで、追いはぎに[E:bearing]合ったような姿でした・・・。
カメラを本人に持たせたのが、間違えだったようで、あちこちのクラスを回って、皆と記念写真を撮ったり、後輩の涙の追いはぎに会ったりと、疲れきった様子。わたしとの記念撮影もまともにできませんでした~[E:camera]。
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この日用意したのは、前回おはなしした 羽織 が一枚仕上がったので、羽織に合わせて、黒の総しぼりにしました。 黒っぽく見えますが、真ん中のシボが赤なので、近づくとちょっぴり赤みを帯びて見えます。(昔、七五三で着た時は、太って見えたので、敬遠していたのです…)
総絞りは、お洒落無地にあたいするかな…とこれにしたわけです。(式には、邪道でしたかね。)
羽織は、色目から本当は、入学式に羽織りたかったのですが、仕立てが間に合わなかったので、先に上がった方をこの日に、おろしました。
母が昔、江戸小紋として作ったものの、地色が気に入らず、染め直したものの、またまた色目が気に入らず、お蔵にしてあったものです。
着物から羽織にするのは、(ましてや、小さいサイズの着物を大きなサイズの羽織に仕立て直すのは) ちょっと、嫌な仕事[E:down] と断られましたが、無理を言ってお願いしました[E:bleah]。
それから、急遽、お数珠屋さんに持ち込んで、紐を通して貰った 羽織紐。 古いかんざしだった白珊瑚を羽織紐用に通して、留め具をつけてもらいました。 真ん中にアクセントとなる玉を入れた方が良くなる!というアドバイスで、こんな感じになりました。
今週は、寒い日が続くので、羽織があって、正解でした! やっぱり、体育館は寒かったです。
でも、ヘアスタイルが気に入らない… やっぱ私には、このアシメスタイルは顔が長く見えるので、ボツ[E:shock]。
子供の卒業式に、今回も羽織を着たいと思うのですが、黒の羽織は、今回は着る気にならず…。
(何故なら、前回よりも3つ歳をとったせいで、今年着てみると如何にも、昔のお母さんという感じが滲み出て、ハマり過ぎなのでやめにしました。それだけ、フケたのネ[E:catface])
羽織探しに、Kimonoオフを覗きに行ったら、何故か羽織コーナーだけ、人がいました。
季節柄、羽織が欲しいというのは、おんなじなのかもしれません。
でも、わたしのように上背のある体つきだと、古着の羽織はどれも寸足らずで、裄も丈も納得いくものはありませんでした…[E:weep]。
そうこうしていると、母親が 古い着物をいくつか出してきて、 『いっそ羽織に仕立て直そう!』 と、潔いことを言ってきました。
母や祖母と20cmも身長差があるわたし。
古い着物をそのままにしておいても、着る機会は無いのだから、切り刻むくらいなら、羽織にしよう!という訳です。
中でも、粋な縞の着物は祖母ゆずり。 統治時代に慶州に移り住んだ祖母らは、京都の染め物屋にわざわざ頼んで、この縞に染めてもらい、やっとのことで、慶州まで届けてもらったとか。
たいそう気に入ったのか、日本に帰ってきた記念写真は、この着物姿です。
そんな縞小紋や、江戸小紋、無地などあれやこれやと出してきて、母とふたりで、『これなら、この着物に似合う!』 『いやー、こっちが合わせやすい色や~!』 などと、勝手にみつくろって、意気込んで…
わが店専属の着物コンシェルジュを呼びましたところ、次々と却下!されてしまいました~。
小さい着物は、小さい羽織にしかならないのだ~[E:crying] でも、諦めない・・・[E:angry]
そんな訳で、しばらく着付け室に羽織を下げていたら、それを見たお客さんが、「ウチにあるかも」 「箪笥の奥におばあちゃんのがあるよ」 とあちこちから 可愛い羽織が集まってきました。
昔の人は、色や柄、生地だけじゃなく、羽裏にもほんとにこだわったことがよ~くわかります。